HM-StarterKitについて(初学者向け)
この記事は、WMMC Advent Calendar 2022 - Adventar13日目の記事です。
(私の登録が遅れたので多少齟齬があります...ご容赦ください)
昨日の記事は,kuroさんの1自由度振動の数値シミュレーションについて書こうかな - blackkuroblackの日記 (hatenablog.com)でした.
1自由度振動系の数値シミュレーションの話ということで,機械科に所属している方には振動のイメージの参考になるのではないかなと思います.
目次
(時間が無い方は2と3のみの閲覧をオススメします)
1.前置き
WMMC所属B1の太郎と申します.
この記事は最初のマウスとしてHM-StarterKit(通称ハムスター,以下ハムスターとします)を触った私が,苦労した点,反省,感想などを述べるものです.
ハムスターについて簡単に紹介すると,「お手軽なマウス」です.
パラメータ調整をすれば,回路やプログラミングの知識がなくても誰でも完走ができる
ハーフのマウスです.
プログラムも比較的きれいにまとまっていて,プログラムの書き方を学ぶこともできます.
株式会社アールティ様のキャンペーンで学生マイクロマウスサークルに2台までプレゼントされている代物です.
第37回全日本学生マイクロマウス大会では19台(!??)も出場していたそうです
初めての記事なので,あまり見やすいものとなっていませんが
ご容赦ください.(写真や動画は用意しておりません...)
知識,経験も浅いので,間違っている内容もあります.
これらをご容赦いただける方は是非ご覧ください.
2.本題
・パラメータ調整
一番苦労したのはパラメータ調整です.最初はログ出力のやり方を知らなくて実機の挙動から判断していたのですが,ログ出力した方がゲイン調整はやりやすかったです.
(値がいい感じになってきたらログ出力しなくてもある程度わかるようになります)
PIDゲイン調整はPゲイン→Dゲイン→Iゲインの順番で調整するとうまくいきました.
またパラメータ調整で一番大事なのが原因の解明です
速度/角速度の振動がどのゲインによるものなのか,あるいはそもそも本当にソフト的な要因なのか...など.
PID制御がどういう制御なのかを知ること,またP,I,Dがどんな役割を担っているかを言語化したイメージを持つことも大事だと思います.
原因解明において経験が少ない私は手数で補いました.
ひたすらゲインを変えて波形を見ました.
結果的にだんだん波形からなんとなく原因がわかるようになってきたのでこういう方法も悪くないかもしれないです(笑)
マイクロマウスの有識者の方に頼るのも手ですね.
ゲイン調整がうまくいかない方はシステム同定を試してみるといいかもしれません(近々私もやるつもりです)
またDCマウスなので1区間分キッチリ走らせるためにTIRE_DIAMETERの調整も必要です.調整モードの2番に一区間前進があるのですが,この部分のプログラムをコピペして区間を3区間にしたものを調整モードの4番に入れました(区間が長い方が誤差が大きくなる)
あとは壁制御の比例ゲインを調整するのですが,ハムスターではPゲインだけなのでそこまで大変ではないです.
ゲインを調整し終えたなと思ったら,まずは各動作の待機時間WAIT_TIMEを短くしたり,探索走行時の速度SEARCH_SPEEDを上げてみるといいと思います.
これでめっちゃ速くなるので爽快感があります笑
・自作迷路
自作迷路に関しては22日目のたなぽーと君も書いてくれるそうなのでぜひそちらもご覧ください.
半分余談になってしまうのですが,調整を自宅で行うために自作迷路を作りました.
100均でプラダンを買って切ってテープで貼っただけのものですが,(記憶が正しければ)作成時間は1.5時間ほどで,費用も高くない,その割に意外と使えました.
ただ床板の材質が実際の迷路と異なり,本番の迷路の摩擦が大きくゲインを調整しなおす必要があったので,これから作ろうと思っている方は床板だけ材質にこだわった方がいいかもしれません.
もちろん既製品を買うのが一番ですが,迷路の既製品は高いです.
お金を使いたくない,でも自宅開発したい...という方にはぜひ自作迷路の作成もアリな選択肢かもしれません.
・感想
まずハムスターの感想を.
ハムスターの手軽さが私のマイクロマウス大会への参加を後押ししてくれたのは間違いないと思っています.ゲイン調整はめちゃくちゃ苦労しましたが,その分いい感じに調整できた時は達成感がありました.ハムスターを頂けて良かったと思います.
次は第37回全日本学生マイクロマウス大会の感想を.
ハムスターの調整に手いっぱいでなかなか他の参加者の走行があまり見られなかったのが残念でした.
ただ,上位の走りはやはり速くて安定していて,すごいなと思ったのと同時にモチベになりました.
HM-StarterKitを使ってかなり速いタイムを出されていた方もいたので尚更ですね.
また,今回はあまり他の参加者とお話をすることができなったので,次の大会ではグイグイ話しかけにいくつもりです(笑)
総合して調整の段階から大会まで全部楽しかったです.
この競技を知ることができて本当に幸運だと思います.
・次の目標
スラローム,斜め走行,足立法の改良などを次の大会までに実装しようと思っています.
またハムスターがある程度ソフト面で改良し終えたなと思ったら自作マウスに挑戦しようと思っています(回路,プログラミングの勉強のため)
3.参考ブログ
調整の上で参考にした/これからする予定のブログと著者様を以下に貼らせていただきます.
全日本学生大会まで色々と参考にしていたブログ↓
hayashi様のブログ
HM-StarterKitでマイクロマウスを始めよう | アールティ 移動型ロボットブログ (rt-net.jp)
自作迷路を作る際に参考にしたブログ↓
けり様のブログ
ハーフサイズ迷路の自作 - KERI's Lab (kerislab.jp)
スラローム走行のの参考にしようと思っているブログ↓
kora様のブログ
マイクロマウス研修(kora編)[17] スラローム探索 | アールティ 移動型ロボットブログ (rt-net.jp)
システム同定の参考にしようと思っているブログ↓
dangorogoro様のブログ
MATLABでマイクロマウスの機体をシステム同定してPIDチューニングする.
4.まとめ
・HM-StarterKitがあればだれでもマイクロマウスができる
・マイクロマウスは楽しい!!!
次回はジャッジ―さんの「ubuntu20.04でweb面接環境を整える話」です.
正直どんな話か想像がつかないので楽しみです.
閲覧いただきありがとうございました.